「機能不全家族」
この言葉を調べれば調べるほど、自分の育った家庭に該当する点が多いことを思い知らされる。
Wikipediaによると、機能不全家族とは下記を言うらしい。
家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を指す。機能不全家庭（きのうふぜんかてい）とも称され、その状態を家庭崩壊（かていほうかい）、もしくは家族崩壊（かぞくほうかい）と言われている
僕の育った家庭では、不法行為や身体的虐待、性的虐待といったものは無かったが、両親の仲が悪くそのせいで家庭内にストレスが蔓延していた。
僕が実家を出る少し前などは、僕が父親の味方、弟が母親の味方、といった変な空気になっており、家庭内に対立が生じていた。
僕の記憶の中では、僕の両親はいつも言い争いをしていた。
いや、恐らく仲が良さそうにしているところを僕が忘れているだけかもしれない。
…と思って一生懸命思い出そうとしても、仲良そうなのは僕が小さい頃のホームビデオの中だけであって、なかなか思い出せない。
もしかしたら、嫌なことがありすぎて記憶が書き換えられているだけかもしれない。
それほどまでに、僕が地元を出る直前は家庭内がやばかった。
これから話すことは、僕が直接全てを見たわけではなく、父、母それぞれから一部を聞いたうえで書き起こすということを初めに断っておく。
まず、父についてであるが、仕事の出張で家をよく留守にしていた。
父は、ほとんど女手一つで育ててくれた父の母（僕にとっては祖母）のことをとても大切にしている。
この祖母については、僕も小さな頃からお世話になっているので悪く言うつもりはないが、僕の母にとっては天敵だったようだ。
また、これは母から聞いた話でしかないが、父は僕たち子供のお金（お年玉など）に手を付ける癖があったようだ。
父については、小さな頃からよく面倒を見てくれたし、上記の点以外は（あくまで僕から見て、だが）良い父親だと思う。
次は、母について。
母も仕事の関係で、家をよく留守にしていた。
僕から見て母は頭が良く、記憶力が良いので昔のことをよく覚えており、そのせいで？姑からの仕打ちを根に持っていた。
また母は、世間一般的に見て容姿が良いと言われることが多かったのだが、何度か不倫をしていたようだ。
ただ、母についても、僕たち子供に対しては精一杯の愛情を注いでくれていたことは確かだ。
もちろん、子供のお金に手を付けたり、まして不倫なんて親として最低な行為だと思う。
でも、両親の仲は悪いながらも色々なところへ旅行に連れて行ってくれたし、良い思い出もたくさんあるので、子供としては複雑である。
冒頭の話に戻るが、僕が地元を離れる直前に家庭内で対立が起きていたのも、母の不倫が原因だった。
当時、僕はどちらかというと父の味方をしていたので、家庭を捨てて他の男と一緒になろうとした母を憎んだ。
日々、平和なはずの家庭内で響き渡る口喧嘩の声。
父は、その男に直接会って話をした。
僕たち子供たちの前で、恐らくその男とやり取りをしていた携帯電話を見ながら泣いていた母。
僕が地元を出る最後の家族写真の撮影の時でも、頑なに父と一緒に写ろうとしなかった母。
その後、僕が地元を離れてしばらくは父と暮らしていた母だが、少しずつ家を空けることが増え、終いには二人は別居状態となった。
いつからか、僕が帰ると「離婚届を渡されている」と嘆くようになった父。
その後、僕は結婚し子供もでき、そんなことを忘れるぐらい（もちろん、実際には忘れれる訳はないが）幸せな日々を送っていた。
両親は離婚せず、このまま別居状態でたまに会う関係でいくのかな、それでも良いかなと思うようになっていた。
でも、現実はそう甘くはなかった…
